ゆめをみました

あたしを守ってくれる人がいました。
全ての災厄から守ってくれて。
腕の傷跡を、魔法みたいに消してくれたり。
優しく抱きしめて、もう大丈夫、恐くない、恐くないって、言ってくれて。
あたしが泣けば胸を貸してくれる。
あたしが笑えば一緒に笑ってくれる。


それは全部夢で。


そのひとはきっと、現実と違う世界とがごっちゃになった夢の中だけの人で。


要は、あたしはまだあのひとに捕われて、いや、依存して期待しているんだ。


薄汚い。思考だ。